グループ如意の部屋    僕らはオカルト研究部

5    ゲームマスターセクション

もどる

5-1  シナリオの作り方

GMの最も重要な仕事はセッション用にシナリオを用意する事でしょう。ここでは「僕らはオカルト研究部」における、典型的なシナリオの作り方を紹介します。

1.導入

一番簡単なのはいかにもアヤカシが関係していそうな事件が起こり、オカ研に調査依頼が来ることでしょう。ここでの事件は世界の根幹や人類の未来に影響を与えるような大きなものではなく、個人の危機や校内・市内の大騒動くらいの規模が適当でしょう。

2.依頼

依頼人は木霊高校の生徒やその関係者が多いでしょう。もしくは理事長から直々に依頼という名の命令を受ける事もあります。依頼を受けるのを金曜、もしくは休日に設定しておけば比較的長い時間を部活動に割くことができます。
代表的な依頼内容は大きく分けると以下の2種類になります。

  • 不思議な現象に遭遇した
    依頼人はとても人間の仕業とは思えない現象に直面し、多かれ少なかれ被害を受けています。後の被害者を出さないためにも原因の究明が必要となります。

  • ペットが行方不明になった スポーツやケンカの助っ人に来て欲しい etc.
    オカ研の活動内容を勘違いし、ある種の探偵サークル、もしくは便利屋だと思っている輩もいます。表向きはアヤカシとの関わりはなさそうですが、天性のトラブルメイカーが揃うオカ研の往く先にはアヤカシ関係のトラブルが待ち構えているのです。

3.調査・捜査

依頼を受けたPC達は関係者や事件現場に向かうでしょう。ある程度の事前情報があるのであれば、図書室やインターネットを活用してアヤカシの情報を得ようとするかもしれません。もしPCが活動に対するモチベーションを見いだせないのであれば、目標値7程度の[感知]判定を活用してください。成功したPCは事件現場や関連図書から「不思議な感覚」を感じます。これは霊能者がアヤカシ達と接触する前触れなのです。
これらの地道な活動から得られる情報を総合するとアヤカシの情報が確定されていきます。そのような情報収集を積み重ねるスタイルに抵抗を感じるときや、活動が煮詰まってしまったときはPCに[知識/アヤカシ]判定を要求しましょう。捜査状況を考慮した目標値を達成したPCには思い切ってアヤカシの正体を明かしてしまっても構いません。もちろんヒント程度に留めておき、PCに自由に考察してもらうのも良い手段です。また地方によって「トイレの花子さん」の設定に細かな違いがあるように、似ているアヤカシだからといって同じ性質を持っているとは限りません。GMは常識や一般論に捕らわれず自由にアヤカシを作成しましょう。アヤカシの作成方法は後述してありますので、参考にして下さい。

4.遭遇

活動を続けていれば、事件の原因であろうアヤカシと遭遇することになります。アヤカシは必ずしもオカ研の敵ではなく、説得や交渉が通じる可能性もあります。しかしながら、戦闘に重きを置いたPCも存在しますし、ロールプレイだけでシナリオが片付いてしまうのも盛り上がりに欠けるかもしれません。クライマックスは戦闘に持ち込むのが妥当でしょう。
掲示板でのセッションは1戦闘にもかなりの時間を必要とします。したがって戦闘は1〜2回に抑えると良いでしょう。

5.解決

PC達がシナリオにおける課題を達成したのであれば、具体的にどのように事件が収束したのかを示すべきでしょう。これが典型的なシナリオの流れです。GMに慣れている人はもっと違ったシナリオを組んでみると良いと思います。

5-2  アヤカシの作り方

ここではセッションの花形とも言えるアヤカシの作成方法を紹介します。ここで紹介されているものはあくまで一例であり、GMはシナリオに責任を持てる限り自由にアヤカシを作成する事ができます。
アヤカシを作るには以下の項目を考えます。

1.名前

アヤカシに名前をつけます。怪談話や都市伝説などで有名になっておりPLにも認識しやすいものが良いでしょう。

2.無名度

アヤカシやアヤカシの周辺情報の無名さを示す数値を定めます。この数値が高いほど珍しい情報だという事になります。適当なタイミングでPCに無名度を目標値とした[知識/アヤカシ]判定を要求し、これに成功すれば概ねこのアヤカシについて知っていた事にしても構いません。ただし、地方によって「トイレの花子さん」の設定に細かな違いがあるように、似ているアヤカシだからといって同じ性質を持っているとは限りません。したがってこの行動判定から得られる情報は、あくまで比較的一般に知られているものであり、必ずしも正確無比なものでなければならないわけではありません。またアヤカシの情報をどこまで開示するかはGMの裁量に委ねられます。

3.ゲーム用データ

アヤカシのステータスや技能を決めます。基本的にはPCを作成する手順を参考にすることができます。アヤカシとPCが大きく異なるのは「アヤカシの特権」があるか否かです。GMは一覧の中から任意の数の特権を選択し、アヤカシに持たせる事ができます。これの数が多ければ多いほどアヤカシは人間離れした存在となるでしょう。

アヤカシの特権一覧

4.設定

アヤカシの容姿や、行動パターン、性格等を設定します。またシナリオ内でどのような役割を果たすかも重要です。交渉が解決の糸口になる可能性もあるので、この部分も細かく決めておくと便利でしょう。

5-3  アヤカシの例

例として比較的有名だと言われる話を元にアヤカシのデータを紹介します。シナリオに流用する場合も考えて4人程度のPCと戦闘できるように設定してあります。


名前:
トイレの花子さん

無名度7の情報:
校舎の3階トイレで扉を3回ノックし、「花子さんいらっしゃいますか?」と尋ねる行為を一番手前の個室から奥に向かって3回ずつ順番に行う。すると3番目の個室から返事が返ってくる。その扉を開けると、おかっぱ頭で赤いスカートを履いた女の子がいてトイレに引きずりこまれ、殺される。

無名度10の情報:
花子さんは100点の答案を見せると悲鳴を上げて消えていく。

ゲーム用データ:
<ステータス>
【体力】2
【知力】1
【生命力】45
【精神力】30
【行動値】3
【移動値】14

<技能>
〔霊力系技能〕
<霊力(目印)/空間封鎖>(2)[2]
トイレの個室に引きずり込まれた者は容易には逃げられない。

〔戦闘系技能〕
<不思議な武器/包丁>(1)
<全力攻撃/包丁>(1)[1]

〔その他の技能〕
<追加生命力>(10)[10]
<追加精神力>(5)[5]
<追加体力>(7)[1]

〔アヤカシの特権〕
<技能pt無制限>
<心理固定>
<消滅>
<霊力の拡大解釈/空間封鎖>
  *トイレの個室1部屋に作用する。
<弱点>
  *100点の答案を見せつけている者には攻撃できない。100点の答案を見せつけられている間は体力、知力を適用した行動判定に-1の修正を受ける。

設定:
ある小学校の女子トイレに住みつく「花子さん」。見た目は、おかっぱ頭で赤いスカートを履いた女の子である。「花子さん」の比較的凶悪な部分がクローズアップされているため説得は難しい。まれに現れる条件を満たした生徒を殺害して楽しんでいる。


名前:
赤マント

無名度7の情報:
赤マントに出会うと好きな色を訊ねられる。答えた色が、赤ならば刃物による殺害、青ならば溺死といったようにその色から連想されるものを利用して回答者は殺されてしまう。

無名度8の情報:
赤マントは元々は理容師である。店が放火の被害に遭い、ひどい火傷を負ったため放火犯やその関係者に恨みを持っている。

ゲーム用データ:
<ステータス>
【体力】3
【知力】1
【生命力】45
【精神力】30
【行動値】3
【移動値】14

<技能>
〔霊力系技能〕
<霊力(一般)/選択>(3)[3]
  *対象に好きな色を訪ねる

〔戦闘系技能〕
<不思議な武器/巨大なハサミ>(1)
<全力攻撃/巨大なハサミ>(2)[2]
<格闘/自己流の格闘技>(1)

〔その他の技能〕
<追加生命力>(10)[10]
<追加精神力>(5)[5]
<追加体力>(7)[1]

〔アヤカシの特権〕
<技能pt無制限>
<心理固定>
<消滅>
<霊力の拡大解釈/選択>
  *対象に色を選択させる場合に限り3つ以上の選択肢を選ばせる事ができる。
<弱点>

  • 霊力によって色を選択した者にしか攻撃できない。
  • 火のついたロウソクやライターを持った者を先に攻撃しようとする。
  • 放火犯の死亡を確認した時、消滅する。

設定:
赤いマントで全身を覆い、仮面で表情を隠した男。放火に遭った理容師の怨念が形となった存在である。放火犯を殺害するか自身が消滅するまで無差別攻撃を続ける。放火犯が既に死んでいると思わせる事ができれば、自然に消滅する。

もどる


ロリポップのドメインは選べる全85種類!!